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THANKS BEEF

グラスフェッドビーフ by 井上牧場

大自然の中で牧草のみで育った赤身の牛肉に注目が集まっています。その中でも、30カ月以上かけて放牧中心に育てた牛のお肉は大変貴重なものとされています。そこで今回は私たちの、北海道農場のある滝上町内にある放牧酪農家「井上牧場」で飼育された牛肉を枝肉で仕入れ、枯らしという方法で熟成させたお肉をお届けします。

井上牧場のサンクスビーフについて

北海道の東側にある、山と川に囲まれた小さな町の牧場です。目指すのは、「土、草、牛、人」が健やかに、楽しく、活き活きと生きていく共栄牧場です。
・ホルスタイン種、ブラウンスイス種、ガンジー種の交雑種から産まれた雄牛です
・高級牛肉ではないけれど、健康でストレスがないから安全でおいしいです
・26~30ヶ月で出荷します
・夏は放牧場で、冬の間は牛舎の中で、牧草を食べて暮らしています
・輸入穀物は出荷前20ヶ月以上与えません
・産まれた雄牛だけがTHANKS BEEFです、たくさんのお肉は生産できません。

グラスフェッド牛(赤身)をおいしく食べるために

りんねしゃの農場がある同地域(滝上町)で、オーガニックなお肉を生産する井上牧場と出会い、そのお肉のおいしさにほれ込みました。牛肉は誰もが大好きなお肉ですが、その育成方法や精肉方法など、生産から物流までどのような構造になっているのか、ほとんどの方が知ることはほとんどありません。
また、日本には「和牛」という文化が強く根付いており、その品質の良しあしは、サシといわれる脂肪の入り方や量で決まり、牛そのものの健康を重視した飼育方法は二の次にされてきました。しかし、昨今、「赤身」の肉の栄養価や肉本来のうまみなどが見直され、また健康ブームに相まって、「グラスフェッドビーフ(牧草を食べて育った牛)」への注目が高まりつつあります。
ただ、牧草を主体に、放牧で育てられた健康な牛のお肉は、筋肉の繊維が固くなり、歯ごたえのあるお肉になるので、日本人の好みに合わないことが多く、嫌厭されてきました。そこで、ヨーロッパやアメリカなど赤身牛を食べる文化が主流の国で磨かれてきた「熟成肉」を作る技術によって、赤身でもやわらかく、かつうまみの濃いお肉を提供することが出来るようになったのです。

枯らし熟成という技術

現在、代表的な食肉の熟成方法は4つあります。「枯らし熟成」「ドライエイジング」「ウェットエイジング」「乳酸菌熟成」です。その中で、今回は基本的な熟成技術である「枯らし熟成」でお肉をおいしく、やわらかく仕上げました。この枯らし熟成とは、温度と湿度を管理した冷蔵庫内で、屠畜したばかりのお肉を枝肉のまま吊るし、1カ月程度放置しておくことで、赤身肉に特に多く出てしまう水分(自由水)をゆっくりと引き出し、お肉を適度に乾燥させ、菌繊維を緩ませると同時にうまみを凝縮させる技術です。この時、お肉を骨から外さず、枝肉の状態で「枯らす」ことが、「枯らし熟成」の基本です。本来は背骨の真ん中で半分にされた「半丸(はんまる)」で枯らし熟成させることが最適といわれますが、大きすぎて場所を確保できないため、今回は肩、バラ、ロース、モモの4つに分けた「四分体」の状態で保管しました。

枯らし熟成グラスフェッドビーフをお楽しみください

枝肉1本(半身分)のすべての部位を精肉し、焼き肉用と煮込み用に切り分けました。すべて、事前に味見をしながらの作業ですが、とにかく、旨すぎて驚いている。ガッシガシに固くても、グイグイ噛み込んでいくと、口の中でどんどん味が変わってくるのです。
変な肉は、噛み込むと臭みが出てきます。だから、ある意味柔らかくないと食えないわけです。途中で、口の中で、お肉の細胞の芯にある臭みが出てきてしまうからだと思います。

でも、この肉は臭みが全く出てきません。だから、硬いやつを、これでもかと噛み込んで食べてください。
どこまでお口と付き合ってくれるのか、試すつもりで噛み込んでください。すると、ある地点で、ブワッと牧草や大地の味と香りが、口に広がり、グラスフェッド牛の赤身を存分に楽しんでいただけます。
噛んで、噛んで、噛みまくって、細胞一つ一つと向き合いたい!そういうお肉は、なかなか出会えません。
滝上で生まれ、この地で育った牧草を食べ、この地の人々のつながりの中で届いたお肉。全部のストーリーが繋がり、皆様にお届けできています。このストーリーを言葉で伝えても意味ないから、お肉を食べてくれれば、伝わると思います。

 

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